開業当日の流れと気づき

 ついに迎えた開業当日。これまでの準備を経て、実際に事業をスタートする日となりました。今回は、開業当日に行った手続きや気づいたこと、反省点などを詳しくお伝えします。これから開業を予定している方の参考になれば幸いです。

1.税務署への届出

 開業当日(4月1日)、まず行ったのは税務署への届出です。個人事業主として事業を始めるため(始めたとき)に必要な書類は色々ありますが、私が作成したのは、

 ・個人事業の開業・廃業等届出書

 ・所得税の青色申告承認申請書

 の2点です。

 

 この2つの書類を持参し、税務署へ向かいました。事前に記入しておいたので、特に時間はかからず、簡単に提出完了。ただし、ここで一つ反省点がありました。それは、紙で提出すると税務署の受付印が押された書類を発行してもらえないということです。

 紙で提出した場合、当日の日付が印刷された「本日、書面で提出された申告書等を受け付けました」という紙をもらうだけでした。これでは後日、何かの手続きで受付印付きの書類が必要になった際に困る可能性があります。税務署の受付印が欲しい場合は、e-Taxで申請することをおすすめします。

 ちなみに、紙での提出は税務署窓口のポストに投函する方法でした。「窓口で担当者が受け取るのか」と思っていましたが、「ポストに投函してください」と案内されました。事務的なチェックは基本的な部分しか見られないので、思っていたよりもあっさりと終わりました。

 書類のチェックを受けたいという理由で窓口に行きましたが、結果としてe-Taxで提出したほうが良かったと実感しました。

2.屋号付き口座の開設

 税務署での手続きを終えた後、その足で信用組合へ向かい、屋号付きの口座開設にチャレンジしました。

 最近は、犯罪防止のため個人で複数の預金口座を持つことが厳しくなっているという説明を受けました。また、入出金が一定期間ないと確認の連絡が入るということも教えてもらいました。

 当初は信用組合一本で運営するつもりでしたが、取引の際の振込手数料や利便性を考えると、いずれは複数の金融機関と取引したほうが良さそうだと感じ、最初の預金量を調整しました。

 なお、屋号付きの口座は開設できなかったものの、当日通帳を発行してもらい、その通帳に紐づける形でクレジットカードの作成を申請しました。

3.事業用クレジットカードの作成

 クレジットカードは、事業を進める上で必須のアイテムです。しかし、信用がないとクレジットカードは作れないというのも事実。

 そこで、開業後すぐにクレジットカードを申し込むことにしました。カードが発行されなかった場合は、作成できる会社に当たるまで順番にアタックするつもりでしたが、幸い一社目で審査に通過(要因は、退職後間もないため、前年度年収を記載できたことだと思います)。これにより、ITサービスや広告費の支払いがスムーズに進められるようになりました。

 ここで感じたのは、在職中にクレジットカードを作っておけばよかったということ。ただし、個人の資産と事業の資産は明確に分けておきたかったので、開業後に作成することを選びました。

 大多数の方がクレジットカードを持っていると思いますが、もし持っていない場合は、信用があるうちに作っておくことをおすすめします。

4.開業当日のまとめと振り返り

 開業当日は、

 ・税務署での届出(開業届・青色申告申請)

 ・信用組合での口座開設手続き

 ・事業用クレジットカードの申請

 と、スムーズに進めることができました。ただし、振り返ってみると以下の点が反省点として挙げられます。

 

 ① 税務署の受付印が欲しいならe-Taxで申請するべきだった

 紙で提出したため、受付印のある書類が手元に残らず、少し後悔しました。e-Taxでの提出なら受付データが電子的に残るため、今後の手続きを考えるとメリットが大きいです。

 

 ② 屋号付き口座の開設は事前に確認しておくべきだった

 信用組合で口座を作ろうとしたものの、屋号付き口座の開設ができず、結果として通常の個人名義の口座となりました。屋号付きの銀行口座にこだわりがある方は、事前に金融機関ごとの対応をリサーチしておけば、スムーズに開設できると思います。

 

 ③ クレジットカードの発行は在職中に済ませておくのもアリ

 今回は無事に発行できたものの、もし審査に落ちていたら事業資金の管理に支障が出るところでした。在職中にカードを作っておくのも一つの手段だったと思います。

 

 ◆まとめ:開業準備は完璧にはならないが、行動することが大切

 開業当日は、思っていたよりもスムーズに手続きが進みました。しかし、実際にやってみると「こうしておけばよかった」と思うことも多々ありました。

 準備はいくらしても完璧にはなりません。が、開業を迷って時間を消費するよりも、ある程度準備をした上で、思い切って行動に移す方が、成果が大きいと思います。

 当事務所では、開業準備や手続きのサポートを行っています。私自身の実体験を踏まえ、開業に関する不安を少しでも解消できるようサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。

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